シルビー:シルビー・ラヴィット

ティア:ティア・ハムレット

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シルビー:〔微かにだけど、覚えてる…です。あの日の記憶を。〕

シルビー:〔ずっと知りたかった事…だけど、知るのが怖かった…です〕

シルビー:〔本当は分かってた…です。この偽りに出来上がった幸せは…きっといつか終わるって…〕

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 :    間を開ける

 :    血まみれの家の中、小さい女の子と端末を片手に話している男

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ティア:『目標は達成。処理は彼らに任せたよ。僕は汚いのは嫌いだからね。隠蔽工作ならそっちの専売特許でしょ?』

ティア:『……それと、一つ要望があるんだ』

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シルビー:〔目の前に倒れているのは、男の人と女の人。辺りは真っ赤で、酷い臭い〕

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ティア:『この子供は僕のモノにしてイイかな?どうせ殺すだけでしょう?利用価値なんていくらでもあるよ』

ティア:『ナンバーズは僕以外に務める役が居ないじゃないか。正直、僕はあまり表立った立場は好きじゃないんだ。それに後々は人員を増やす気なんでしょ?』

ティア:『なら、僕もその手伝いをするよ。この子には僕から殺し方を教える。No.II(セカンド)として…これからを生きてもらうよ』

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シルビー:〔倒れている男の人は、顔ははっきり見えないけど、涙を流したように頬が濡れていて。倒れている女の人は、さっきまで抱きしめるように寄りかかって居た。〕

シルビー:〔ベトベトする。真っ赤なモノが、いっぱい付いていて、なんだがとてもイヤだ〕

シルビー:〔だけども立っている男の人は、血のついた顔を喜ぶように…。何かを楽しんでいるかのように笑う〕

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ティア:『さぁ、おいで。君はこれから…僕の家族だ』

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シルビー:〔…………カゾクって………ナニ?〕

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 :    間を開ける

 :    シルビーに洋服を着させているティア

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シルビー:『……うっ…うう…ん…』(洋服の頭から顔を出す)

 

ティア:『うん、似合ってるね。君にピッタリだ。綺麗な服に色白で、整った顔立ち。まるでお人形さんだ』

 

シルビー:『…………動き………にくぃ……』

 

ティア:『大丈夫だよ。すぐに慣れる。どうせ君は外に滅多に出られない。基本はずっと、この部屋の中で過ごすんだよ』

 

シルビー:『………ずっと……』

 

ティア:『この部屋も良い物だろう?君の好きそうな物で部屋を飾ってみたんだ』

 

シルビー:『…よく……わからない……』

 

ティア:『その内ココが気に入ると思うよ』

 

シルビー:『……ん…。』

 

ティア:『それと…君には名前を与えなくてはね。どうせなら、可愛い名前がいい。君に似合った名前が…』

 :    ティアが棚に飾ったウサギのぬいぐるみを見る

ティア:『白い……ウサギ…。ホワイトだと味気無いね…。そうだ!シルビー!シルビー・ラヴィットがイイ!』

ティア:『君はこれから、シルビーだ。そして、僕の妹だ』

 

シルビー:『……イモウト……』

 

ティア:『あぁ。家族だ』

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 :    間を開ける

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シルビー:〔名前はシルビー〕

シルビー:〔シルビーはここから出る事をしなかった。外は怖い。人は怖い。だから言われた通りに人を殺す。そう教わった〕

シルビー:〔なにより外に出ようとすれば、あの人は怒る。まるで別人みたいに…。だから大人しくするようにした…。〕

シルビー:〔ずっと部屋に居ると流石に飽きて来る。それを察してなのか、あの人は沢山の絵本を持って来てくれた〕

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ティア:『なにか他に欲しい物はある?』

 :    シルビーは顔を横に振る

ティア:『分かった。それじゃあ、僕が戻って来るまで大人しくしているんだよ。シルビー』

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シルビー:〔貰った絵本の中に、お姫様と王子様と言う人が出てくる話しがあった〕

シルビー:〔お姫様の格好や部屋はシルビーと似ているし、中々外に出られないのもシルビーに似ている。けど、こんな話し方はしていない〕

シルビー:〔あの人がもし、それを求めているなら…〕

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シルビー:『……です。………です』

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シルビー:〔そう思って、見様見真似でやり始めてみた…です〕

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 :    間を開ける

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ティア:『シルビー。外に出たいかい?』

 

シルビー:『……え……?』

 

ティア:『最近はシルビーも僕の言う通りにココで大人しくしている。出来るだけ飽きないようにと僕も善処はしているけど、やはりずっとこの部屋にいるのも窮屈だろうと思ってね』

 

シルビー:『……外』

 

ティア:『もちろん、外に出る時は僕と一緒だし。遠出は無理だ。それでも良いなら』

 

シルビー:『……お兄様』

 

ティア:『ん?』

 

シルビー:『外……行きたい…です』

 

ティア:『…うん。分かった。僕のそばを離れないようにするんだよ』

 

シルビー:〔その日見た、初めての景色は。たくさんの人が行き来していて、たくさんの話し声が聞こえた……です〕

シルビー:〔なんだかそれが不安で……怖かった…です〕

 

ティア:『ほら、シルビーにはまだ外は危なくて、怖い人達がたくさん居るんだ』

ティア:『だけど僕が居る。僕が居れば大丈夫。どこに居ても、君を守るよ。』

ティア:『だって僕達は……家族なんだからね』

 

シルビー:『……はい』

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シルビー:〔カゾク……。じゃあ、あの時…シルビーの目の前で倒れてた人は誰……ですか。なぜ 、お兄様は居ても…母様と父様は居ない…ですか……〕

シルビー:〔ずっと外が怖かった…です。知らない事を知るのが怖かった…です。だけど……外を知った時…カゾクを見た時…。シルビーが知らなかった事を知りたい…そう思った…です〕

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ティア:『シルビー!!どこに居る!?シルビー!!』

 

シルビー:『……!!お兄…様…!』

 :    ティアが乱暴にシルビーの腕を掴む

ティア:『シルビー!!なぜあの部屋から勝手に出た!!』(セリフ被せる)

 

シルビー:『痛っ……!?お兄様……!痛い…です……!!』

 

ティア:『僕の質問に答えるんだ!!なぜ僕の言いつけを破った!!』

ティア:『………そうか…。最近、シルビーの望んだまま外へ連れ出している……。それが原因か……』

 

シルビー:『……!!違うです……!違うです……!!』

 

ティア:『君のためを思ってやっていた事だけど……やっぱり間違っていたよ…!』

 

シルビー:『ごめんなさい……!ごめんなさい……!!』

 

ティア:『君を誰にも触れさせない!!』

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シルビー:〔お兄様がなんでここまでするのか、なんでシルビーここまでこだわるのか……最初は分からなかった……です〕

シルビー:〔だけど……お兄様は落ち着くと決まってシルビーの元に来て、涙を流す……です〕

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ティア:『ごめんよ……。ごめんよシルビー……。痛かったろう……?怖かったろう……?全部……全部君のためなんだ……。』

ティア:『だから僕を……置いていかないでくれ……』

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シルビー:〔すがりつきながら謝るお兄様は……いつだってその時だけ、シルビーより弱かった……です〕

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ティア:『……僕を……一人にしないでくれ……』

 

シルビー:『………………大丈夫……です。シルビーは……いつもお兄様と一緒……です』

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 :    間を開ける

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シルビー:お兄様はいつも優しく、シルビーを気にかけてくれた…です。まるで…本当の妹のように

シルビー:でもお兄様は心から笑った事は多分無い…です。お兄様の目は…辛くて…苦しくて、寂しい目をしていた…です。シルビーはいつだって……そんなお兄様を見ていられなかった…です

シルビー:〔だから……ごめんなさい……お兄様。〕

シルビー:〔シルビーは知りたい……です。父様と……母様を……。本当の…カゾクを……〕

 :    

 :    間を開ける

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ティア:………アァ………あァァ……アァァァア………アアアァァァァァァアア……!!

ティア:シルビィィイ…!!シルビィィイ!!なんで君はァア…!なんで君は僕を裏切るんだァァア!!

ティア:…………あ……あぁ……なんだ……?カゾクって……なんだ……?アイって……なんだ…?分からない……ワカラナイ……!!なにもわからない!!

 

シルビー:〔シルビーは悪い子……です。絵本の中のお姫様みたいに……良い子にはなれなかった……です〕

 

ティア:……コロスコロスコロスコロスコロス!!そんな事言うのは僕の妹じゃない!!君はシルビーじゃない!君はシルビーじゃないっ!!

 

シルビー:〔お兄様はきっと……悪い子のシルビーを嫌いになるかもしれない……です。だけどシルビーは……〕

 

ティア:シルビィィィィイイイイイ……!!

 

シルビー:……お兄様の事が……大好きです

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 :    間を開ける

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シルビー:………………ごめんなさい……ごめんなさい……。お兄様…。