第2話


 

はじめまして

 

私は君達を導く指導者

天郷(てんごう)だ

 

君達は幼くまだ未来ある内に死んでしまった

そしてここにたどり着いた

 

世界は3つに別れている

 

死んだ者が真っ先に向かうのは

天国と言われる上界

 

死んだ者が堕ちて向かう先

地獄と言われる下界

 

ここはその中間地点

どちらでもない中界だ

 

君達がここに居る理由は1つ

生きている人が住む現界と

死んだ者が住む上界との繋ぐ架け橋になって欲しい

 

現界から上界に住む者への手紙を預かり

それを無事に届ける

 

後悔や懺悔をしきれない

思い出話や今の生活を伝えたい

 

そんな事を可能にした

新たな手段を作った…

 

それが君達、死神郵便社ワタリドリだ!

 

だが、死んだ者からの手紙や

伝言は伝えてはならない

 

あくまでも現界からの一方通行だ

 

だが、たった一つの手紙だが

それだけで全てが変わる

 

そんな重要な役割だ

 

君達、幼子(おさなご)が選ばれたのは

人の優しさ、温かさ

 

人の感情や想いを十分に与えられ

生きていけなかった君達に

 

それを直に触れ、成長して欲しい

 

それを学び、心が大人になった時

それが君達のワタリドリ卒業の時だ

 

たくさんの物に触れ

たくさんの人の想いを運んでくれ…!

 

頼んだぞ

ワタリドリ諸君!!(しょくん)