レスト:レスト・アルデッド
シルビー:シルビー・ラヴィット
ティア:ティア・ハムレット
ルドルフ:ルドルフ・バイコ
レミー:レミー・バルケッタ
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: レストが勢い良くドアを開ける
レスト:よぉぉお!!来てやったぜェエ!!レスト様のお出ましだァア!!
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: 部屋が静まり返っている
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レスト:あぁ?誰も居ねぇのかァ?おい!ウサギィ!俺様が来てやったっつうのにシカトしてんじゃねぇぞ!
シルビー:……はぁ…。うるさいのがやって来た……です(ボソッと)
レスト:どうせ引きこもりのオメェの事だ。この部屋のどっかに居やがるんだろォ?俺が遊び相手になってやるっつうんだ、さっさと姿見せろよォ!
レスト:……んあぁ、おうおう、つまりはそうゆう事かっ!俺と隠れんぼがしたいって事かァ!!しゃあねぇな!相手してやんよォ!!
シルビー:そんな事……これっぽっちも思ってない……です(ボソッと)
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: レストがタンスやベッドを散らかしひたすら探し回る
:
レスト:オラッ!!どこだァ!!どこに居やがるウサギィ!!見つけたら食っちまうぞ!!
シルビー:……この男なら本当にやりかねない…です
レスト:どう調理されるのがお好みだァ?塩漬けかァ?丸焼きかァ!鍋にしちまうのも良いよなァア!
シルビー:…………この男……頭のネジが吹っ飛んでる……です
レスト:おっ?見つけたぜぇ!ウサギちゃんよォ!
シルビー:ひゃっ!?
:
: レストがシルビーの首根っこを掴みあげる
:
レスト:ハッハァ!かくれんぼは俺の勝ちだなァ!!こんな場所じゃあっという間に見つかっちまうだろォ!もっと頭使えよなァ!
シルビー:元々かくれんぼなんて……してない…!……です…!
レスト:んなツレねぇ事言うなよォ。どうせ今日も暇を持て余してたんだろォ?独りぼっちのお前の相手をしてやってんだろうがァ。感謝しろよォ
シルビー:うぅ……!!暇じゃない…です!早くこの手を離せ…です!!
レスト:次は何して遊んでやろうかァ?鬼ごっこだったら俺は得意だぜぇ!逃げ回る肉を追いかけ回すのは慣れっこだァ
レスト:いや、待てよォ……俺が逃げる側になった事はねぇな逃げる側っつうのは、どんな気持ちなんだァ?
シルビー:……いつまで引っ張ってるつもりなの……!です!いい加減離す……!です!!
レスト:追いかけっこは好きじゃねぇのか……。んじゃあ、次は何があるか……
ティア:レスト。シルビーを離すんだ
レスト:あァ?
ティア:いい加減にしてくれ。シルビーにちょっかい出すなと何回言えば分かるんだい?
シルビー:お兄様……!
レスト:ンだよ、邪魔者の登場かァ。オメェはお呼びじゃねェぞ
ティア:邪魔者はどっちだい。勝手に人の部屋に入って、好き勝手して…オマケにそんな発言は度を過ぎているね
レスト:ほぅ?上等じゃねぇかァ。俺の事を気に入らないなら殺りに来いよ!退屈しのぎには丁度いィ。このウサギじゃ話しにならねぇ!
レスト:逃げるしか脳がねぇ肉をひたすら殺すのも飽きてきたとこだァ!!
ティア:残念だけど、僕は君に興味無い。ただ……
:
: 言いかけてレストの視界から消え、シルビーを抱えたティア
:
シルビー:ひゃぁ!?
ティア:シルビーは違う。妹は返してもらうよ
レスト:ほぅ、相変わらずの速さだ。俺ですら目で追えなかったぜェ
ティア:君と違って荒い戦い方を僕は好まない。迅速に、尚且(なおか)つ確実に。相手の油断した一瞬を僕は逃がさない
レスト:ケヒヒッ!やっぱりお前と殺りあったら楽しそうだなァ!
:
: ティアはシルビーを降ろす
:
ティア:悪いが僕達はこの後用事がある。君に構っている暇はないんだ
レスト:あァ?んだと…?……チッ……。つまんね。珍しく外でも出んのかよ?
ティア:あぁ。シルビーが買い物をしたいと言うからね
シルビー:いつもありがとう…です。お兄様
ティア:ううん。良いんだよ。僕はシルビーの行きたい所にどこへでも連れてってあげる
レスト:ハッ……あーぁ、興が醒めたわ。勝手にやってやがれ
:
: ドアを蹴り開け出ていくレスト
:
シルビー:嵐の様な人……です
ティア:ホント、彼には困った物だよ。だけど僕が居るからにはもう大丈夫だよ。シルビー
シルビー:はい……お兄様
ティア:それに、どうせ彼も時間の問題さ
シルビー:……?
ティア:彼は等々、組織から見限られた。レスト・アルデッドは排除対象とされ、その内殺される。そうすればもうこんな思いはしなくて済むよ
シルビー:…お兄様……
ティア:シルビーに不用意に触る者は……この世に要らないよ……(ボソッと)
:
: 間を開ける
: ティアとシルビーがデパートへと来る
:
ティア:久しぶりに外へ出たね。思ったよりも人混みが多い……はぐれないようにちゃんと僕の手を掴んでおくんだよ?シルビー
: 振り返ると誰も居ない
ティア:シルビー……?
:
: 間を開ける
: デパート内、別の場所にて。通話しているルドルフ
:
ルドルフ:おい、人の話しを聞いてるのか?そっちから関係を築き上げて行こうだとか言ったんだろ……!ちょっとは手を貸してくれ……!
: 少し間を開ける
ルドルフ:俺はこうゆうのは苦手なんだよ……!なんとなく分かるだろ……。あ、おいっ!まだ話しは終わって……!!
ルドルフ:………クソっ………切りやがったな、あの女……
:
: ルドルフが後ろを振り向くと一人の少女が
:
シルビー:…………。(シルビーが振り向いたルドルフの顔をじっと見る)
ルドルフ:あー…あれだ…!迷子センターに行けばすぐに家族が来てくれるんじゃないか?
シルビー:やだ……です
ルドルフ:……なんでだよ……
シルビー:知らない人、怖い……です。ついて行くなって……お兄様が……
ルドルフ:俺もその知らない人に含まれるだろ…
シルビー:おじさんは大丈夫……です
ルドルフ:おじ…………。はぁ……参ったなこりゃ……
:
: デパートを二人で歩いている
:
ルドルフ:……あー……その、なんだ。家族とここに来たのか?
シルビー:そう……です
ルドルフ:……家族っつうのは母親か?父親か?
シルビー:お兄様……です
ルドルフ:…………見つかると……いいな
シルビー:はい……です
ルドルフ:………………。
シルビー:………………。
ルドルフ:………………。
シルビー:………………。
ルドルフ:……あぁぁぁあクソっ……!これだから子守りは嫌なんだよ……!なんで俺がこんな事を……!(呟くように)
シルビー:シルビー……
ルドルフ:……へ…?
シルビー:シルビーって……言います。名前……です
ルドルフ:お、おぉう。シルビーか。
シルビー:おじさんは、名前……なんですか?……です
ルドルフ:お、俺か?ルドルフだ
シルビー:ルドルフ…………おじさん
ルドルフ:どぉぉぉぉしてもおじさんを付けたがるのかァ………!
ルドルフ:……まぁ、確かに年齢的に若くは無いけどな。子供から見たらそう言われても、納得せざるを得ない年齢に達しちまったか……
: シルビーはルドルフの手を掴む
シルビー:手……握っててください……です
ルドルフ:え?お、おぅ?ずいぶん急だな…
シルビー:……ルドルフおじさんの手、デカくて、ゴツゴツしてる……です
ルドルフ:そうかぁ?男の手なんて皆こんなもんじゃないのか?
シルビー:……お兄様……違う……です
ルドルフ:あーそうか。妹がこんなに小さいなら、兄ちゃんだって若いだろうしな。そうゆう違いか
ルドルフ:でも兄ちゃんじゃなくたって父ちゃんが居たら……
シルビー:……居ない……です
ルドルフ:居ない……?
シルビー:………です
ルドルフ:………………(気まづい反応)
シルビー:………………。
ルドルフ:……あー…悪いな。こんな話し振って
シルビー:……父様も、母様も……顔を知らない……です。思い出も、記憶も……何もない……です。何も知らない……です
ルドルフ:…………。
シルビー:だからシルビーには……お兄様だけ……です
ルドルフ:そうか。面倒見いい優しい兄ちゃんなんだろうな。きっと今頃はシルビーの事が心配で仕方ないはずだ
シルビー:……多分……シルビーを、探してる……です
ルドルフ:それじゃあ早く兄ちゃんのとこに連れてかなくちゃな
:
: 間を開ける
: 場面は切り替わり「山奥の森林」
:
レスト:……ンだよあの野郎。こんな場所に呼び出しといて居ねェじゃねぇか
: レストが足を踏み出した瞬間スイッチが起動しナイフが四方に飛んでくる
レスト:あぁ!?っと!!(軽々と避ける)
レスト:……んだこりゃ……?
レミー:はぁーぁ。やはり一筋縄では行かない、か
レスト:おい、コイツぁ一体どうゆう風の吹き回しだァ?つまんねぇ小細工なんかしやがって
レミー:どうもこうもないさ。あの一瞬で君を殺そうとしただけだ
レスト:殺すだァ?意味を理解してその言葉を吐いてるんだろうなァ?あァ?
レミー:今の状況を理解してるのかと聞きたいのはむしろコチラだよ。君はもう、死ぬのは確実だ
レスト:あ?
レミー:組織は君を排除対象として定めた。どう足掻いてもこの事実は変わらない。君はもうこのまま組織に殺されるしか……
レスト:……ククッ……クククッ……ヒャハハハハハ!!アァァハハハハハハハ!!(言葉をさえぎり、しばらく笑い止まらない)
レミー:……なにを……笑っている……!?
レスト:これが笑わずにいられるかよォ!!アハハハハッ!!ヒャーハハハハー……ハァァアーアッ…………
レスト:……こんな事ならさっさとこうしちまえば良かったぜェ…
レミー:……貴様……正気で言っているのか……?
レスト:あぁ?正気も正気だァ。もう逃げてばかりの肉を追いかけ回す必要はねェ。そろそろ飽きてたとこだしなァ。
レスト:つまりはテメェを
: ニヤリとしながら鎌を持ち、構えをとるレスト
レスト:ブッ殺しても構わねぇンだろォ!!
レミー:……フフっ。フハハハハッ!!相変わらずの戦闘狂だ!全く…君のお気楽脳には呆れを通り越して笑いが込み上げて来る!!
レミー:あぁ、その通りだ。君の大好きな命の奪い合いだ。だが、勘違いするな……死ぬのは君だ…!レスト・アルデッド……!!
レスト:そりゃあ楽しみだなァァァアアアア!!
:
: 場面は変わりルドルフ達のデパート
: 間を開ける
:
ティア:シルビー……!
シルビー:……お兄様
ルドルフ:お?兄ちゃんか。案外すぐに見つかったな
: ティアが凄い形相で睨む
ティア:……シルビー……これはどうゆう事だい……?
シルビー:…………。
ルドルフ:おいおい、せっかくはぐれた妹が見つかったっつうのに怒る事ねぇだろぉ。こうゆう人混みが多い場所だ。たまには仕方ねぇだろ?
ティア:……なに……?(圧をかけて)
シルビー:お兄様っ……!!
シルビー:……シルビーが……全部悪い!……です!だから……!だから……!!
ティア:…………。
ルドルフ:「おぅ……こりゃあ、ヤバい雰囲気だな……。相当お怒りじゃねぇか。聞いた話しとずいぶん違うぞ……」
ルドルフ:ま、まぁとりあえず!!兄妹再開出来て何よりだ!!シルビー、次ははぐれないように気をつけるんだぞ!!
シルビー:………です
ルドルフ:んじゃあ、邪魔者はこれで退散するか……!またな!
:
: ルドルフがその場を立ち去る
:
ルドルフ:「たくっ…。あの女には話しを適当に流されるし、慣れない子守りをしたってのに邪険にされるし……散々じゃねぇか……」
ルドルフ:……はーぁ……こんな日は、酒でも飲まねぇとやってらんねぇな……
:
: 間を開ける
:
ティア:…………。
シルビー:……お兄……様
ティア:なんでだい……?シルビー。どうしてだい……?シルビー
:
: シルビーの肩を勢いよく掴むティア
:
シルビー:……っ……!?
ティア:外出する際には気をつけるようにと、いつもあれ程言ってるじゃないか!!なのに君は何をしてるんだ!!こうゆう事があるから外に出さないんだ!!
ティア:なんだ!あの男の馴れ馴れしい態度は!?なんであの男なんかについて行ったんだ!?
シルビー:お兄様っ……痛ぃ……!
ティア:大体奴が誰なのか分かっていて近づいたのか!奴は僕達の標的だ!それを考え無しに……!………いや……いやいやいや待てよ……。もしかしてこれが目的で……ココに来たのか?そうゆう事なのか!シルビー!!
シルビー:違う……!…です!!本当に偶然……!……です!!
ティア:…………だけど君は、見知らぬ人には近寄らないハズだ。なぜあの男に……?
シルビー:……分からない……。けどなんだか……父様みたいな感じがして……
ティア:…………!!なにを言ってるんだシルビー!!
:
: さっきより強い力で肩を掴む
:
ティア:君の家族は僕だけだろう!!他に誰がいる!?居ない!!要らない!!誰も君を理解できない!!誰も君には触れさせない……!!シルビー!!君の家族は僕だけだ!
シルビー:……痛い……!痛いです……!!お兄……様……!!(セリフ被せる)
ティア:僕だけだ…。僕だけだ!僕だけなんだァ!!
シルビー:……お兄様だけですっ……!!
ティア:…………。
シルビー:お兄様だけ……です…
ティア:…………そう…………だよね……
: ティアが手を離す
ティア:そうだよ…。その通りだよ……君の家族は……僕だけだ
シルビー:………。
ティア:……これからは気をつけるんだよ。シルビー
シルビー:…………はい……
: シルビーから背を向けた瞬間鬼の形相になるティア
ティア:……………………必ず殺す……!!ルドルフ・バイコ……!!
:
: 場面は切り替わりレストとレミー
: 間を開ける
:
レミー:フンっ(ナイフ投げる)
レスト:へっ!(鎌で弾き返す)
レスト:次は逃がさねぇぞ!!(鎌を振り下ろすが空振り)
レスト:あァ…?(多少のイラつき)
レミー:僕はそこじゃないよ!(ナイフ投げる)
レスト:チッ…(鎌で弾き返す)
レスト:さっきからちょこまかしやがってェ…!オォラッ!!さっきまでの威勢はどうしたよォ!?
レミー:これも戦略の一つさ…!
: 木の影の四方からナイフが無数に飛んでくるがレストは避ける
レスト:…っ、逃げ回ってるだけじゃつまんねェだろォ!!クソメガネェ!!
レミー:僕は君の好きな戦い方はしないよ。嫌いな君のためになぜ、わざわざ合わせなくちゃならない?この場所に誘導したのも…僕が戦いやすくするためさっ!!(ナイフ投げてレスト弾き返す)
レミー:ここでは、僕の有利(フィールド)だよ!!
レスト:アァそうだなァ。そこら中の木が邪魔で……しゃあねぇよなァァァアアア!!
: 鎌を回し周りの木を根こそぎ切り倒す
レミー:……!!馬鹿な……!?全ての木を切り倒すだと……!?
レスト:よぉ……見つけたぜェ?陰キャ野郎ォ!!
: レストが斬りかかりレミーがナイフで受け止める
レミー:グっ……!!君はっ……!やっぱり…頭のネジがイカれてるっ……!!
レスト:ハハッ!!そりゃ褒め言葉かァ?らしくねぇなァァァア!!
: 三回ほど打ち合い
レミー:ぐっ……!
レスト:ハっ!ハァっ!ハッハァァアッ!!
レミー:っ…!…ぐぁっ…!!
: レミーが押し飛ばされる
レスト:なァ!もうちょっと楽しませろよォ!!
: レストが動き出した瞬間、体が硬直する
レスト:…あ?…んだこりゃぁ?
レミー:…ハッ…掛かったな……!脳筋め……!
: レミーが立ち上がる
レミー:僕はナイフ単体ではなく、ワイヤーを駆使してナイフを投げる。君からこっちにわざわざ来てくれたおかげで、簡単に拘束できたワケだ
レミー:……今度は……こっちの番だよ!!ハリセンボンの出来上がりだァア!!
: 周りからナイフが無数に飛んで来てレストに刺さる
レミー:あはははっ!!どうだぃ!?あんなに余裕振っていたのにこのザマだよ!!無様だねぇえ!!
レスト:…………これで終いか?
レミー:…………へ…………?
レスト:ハァァァ……!!
レミー:……貴様……なにをしている…………!?
レスト:ァァァアアア……!!
レミー:そんな事をすれば…………無事では済まないぞ……!!
レスト:ダァァァアアアアアア!!!
: レストが血まみれになりながらワイヤーを破る
レミー:……嘘だっ…………!?……有り得ない……!!ワイヤーを自力で破るなんて…馬鹿げてる…!!
レスト:なァ、不思議なモンだよなァ?
: レストが自分に刺さったナイフを抜きながらレミーに歩み寄る
レスト:俺の体は何故だか知らねェが、痛みも苦痛も感じねぇんだよォ。だから恐怖も感じねェ。痛みも、死すら、何も感じねェ
レミー:…………来るな……!
レスト:昔っからそうだァ。だから知りたかった。痛みってなんだろうなァ…?叫ぶ程の辛さってなんだろうなァ…?
レスト:それを知りたいがために俺は散々殺して来たァ…!肉を裂いて!骨を砕いて!血を流して痛みを与えたァ…!!痛みを知らない俺が痛みを感じるためになァァア!!
レミー:……化け物が……。化け物がァ……!!
レスト:涙を流して叫ぶ程の痛みってなんだァ?なぁレミィ
レミー:近寄るなァァァアア!!
レスト:結局テメェも、そこら辺の肉と変わらねェな……
: レストがレミーの首を跳ねる
レスト:……つまんねェよ。……ペッ(唾を死体に吐く)