謎の女:謎の女
ユーフィ:ユーフィ・レバンノ
レイトン:レイトン・コナー
マール:マール・フィッシモ
ルーク:ルーク・ルーカス
:
:
:
:
: スマホが鳴り、謎の女がスマホを耳に当てる
謎の女:あら、意外ね。初めの連絡が貴方からなんて。一体どうゆう風の吹き回しかしら
: スマホの向こうから助けを求める声が
謎の女:え?子供?知らないわよ。電話越しに私にどうしろって言うの?……仕方ないでしょ。こうなったら貴方がちゃんと面倒見てあげなさいよ。
: 怒鳴り声がスマホから聞こえる
謎の女:困ったなら迷子センターにでも預けたらどうかしら?……そんな事私からいちいち言われなくても分かるでしょう…。と言うか、こんな事を話すために連絡手段を教えたわけじゃないのよ…?貴方ちゃんと分かってる?
謎の女:こっちは忙しいの。要件がそれだけならもう切るわね。それじゃ
: 通話を切る
謎の女:……はぁ。こんな調子で大丈夫かしら。この先不安ね……。もしかしたら人選を間違ったかしら……?
ユーフィ:あぁ。貴様の選択肢は間違っている
謎の女:あら、お早いご登場。よくココが分かったわね
ユーフィ:いつも言っているはずだ。貴様らはこの目で常に監視されていると
謎の女:あーぁ、嫌になっちゃう。女性の私生活を覗き見る男……。デリカシーの欠片も無い。貴方の頭には、プライベートって言う言葉は存在しないのかしら?
ユーフィ:自分の立場をわきまえて発言しろ。
謎の女:怖い怖い。そんなに睨まないでちょうだい
ユーフィ:貴様が勝手に動き、組織内を乱そうとしているのはとっくに把握済みだ
謎の女:身動きの自由も許されないの?まるで懲役中の囚人じゃない。言われた分しか仕事出来ないようじゃ、世間には通用しないのよ。
ユーフィ:それが通用するのは一般の常識だ。裏の世界ではそんなモノなんの意味も持たない。ましてや貴様やレストの様な異様な存在は、組織の指揮系統が乱れるだけだ
謎の女:だから貴方がNo.(ナンバーズ)を全体管理するファーストとして選ばれた。
謎の女:貴方は従順で、与えられた命令にのみ動く。とても扱いやすくて……とても単純だもの。それはそれは組織としては、貴方がお気に入りとするワケよねぇ?
ユーフィ:…………。
謎の女:貴方はどれだけ自分が物言われようと怒らない。組織や組織の指揮者に関する愚弄でしかピクリともしない。本当に犬のような存在ね。
ユーフィ:何があっても命令に付き従うのみ。それだけだ
: ユーフィが刀を鞘から抜く
謎の女:……本当に……つまらない男ね…!
:
: デンテルが手を横に振ると手がシザーハンズと化す
: 間を開ける
: 一方、ルドルフと別れた後のレイトン
:
レイトン:なんなんですか……。本当にあの人は……!いつもいつも好き勝手して……僕を振り回して置いて……!
マール:やぁ、レイトン君
レイトン:……マール、さん…?どうしたんですか?
マール:いやぁ、君とルドルフのやり取りをたまたま見てしまってね
レイトン:…………。(気まづそうに)
マール:参っちゃうよねぇ。アイツは昔っからあぁだからさ。よく「あの人には着いて行けません」って言って、離れてく部下が多いんだよ
レイトン:……そう、なんですね
マール:レイトン君は、アイツの事が嫌いか?
レイトン:……い、いえ!そんな事は……!!
マール:正直に言ってくれていい。俺もアイツとは長い付き合いだからさ、俺もやっぱり思う所は多々有る。だから本音を晒したって今更何も思いはしないよ
レイトン:………。
: 少しの間
レイトン:……ルドルフさんは……確かに自分勝手で、何を言っても聞く耳を持たないし……。騒ぎも起こすしで、なんでこんな人が僕と同じ担当課なんだろうってずっと思ってました……。
レイトン:ルドルフさんを嫌いにはなっていませんが……。正直……僕はもう、あの人について行ける気がしません……
マール:そうだろうなぁ。アイツ自身も本当は気づいてるんだ。自分の不器用さ加減を
マール:いつまで経っても曲がった性格は正せない。だけど、それでも彼は彼らしく、いつも君を気にかけてるんだと思うよ
レイトン:僕を……ですか……、
マール:あぁ。総合会議の話しは聞いた。確かに出過ぎたマネをしたかもしれない。だけど、それだけ彼はNo.の事件に対して真剣に向き合っている。だからこそ、抑えられない気持ちがあった
レイトン:…………。
マール:君に対してもそうだ。知っているだろう?No.事件に関わった者の中には、行方不明になった人が居るって事を
レイトン:……はい
マール:その行方不明者の中に、ルドルフの昔の部下が居た。君の前のバディだ。
マール:名前はルーク。結婚し、子供が産まれたばかりになるかならない頃に、彼はルドルフの元に来る事になった
マール:最初は共にNo.の事件を捜査していたが、これ以上踏み込むと危険だと察したため、熱心に事件捜査を進めるルークを止めた
マール:だが、そんな制止も効かずに深く足を踏み入れた彼は……家族と共に消息を立った
レイトン:そんな……!!それじゃあルークさんは……!
マール:………察しの通りだよ。
マール:その時、アイツは実際に目の前で体感し、見たのさ。彼らNo.の恐ろしさを……。
マール:それからさ。ルドルフが無茶をし出すようになったのは
レイトン:…………。
マール:今の奴は見ていられない。ルークの事を考えるあまり、自分の身をかえりみない。アイツはNo.事件にこれからもっと深くまで関わるつもりだ。
マール:だが、そうすれば君の危険も増す。経験がまだ浅い君を、そんな場所にまで連れて行けないと…今の奴なら思うはずだ。
レイトン:……だから僕を……突き放したって言うんですか……
マール:ルドルフは、そうゆう男なんだ
レイトン:…………ホント……勝手過ぎますよ……
マール:同感だ……。
レイトン:……マールさん。ありがとうございます…!僕、もうすぐでルドルフさんを見限って、ココを去る気で居ました。よくよく考えれば……本当は分かることでした。あの人は……そうゆう人なんだって……
マール:…レイトン君…。…行くのか?
レイトン:…………はい……!
マール:例え自分の身が危険に晒されようと?
レイトン:…行きます……!あの人にまだ死なれる訳には行きません……。此処にはまだ、ルドルフさんが必要なんです……!!
マール:…………分かった。充分注意をして欲しい。君達が死んだら、元もこうも無い
レイトン:はい……!
:
: レイトンが駆け足で去っていく
:
マール:……ルーク…。もう少しだ…もう少しで…俺達は核心に辿り着く…。
:
: 間を開ける
: 回想に入る
:
マール:『もうこれ以上はやめるんだ』
ルーク:『……マールさん』
マール:『これ以上はもう、お前が無理に関わる必要の無い話しだろ。取り返しがつかなくなる前に手を引くべきだ』
ルーク:『……ありがとうございます。気にかけてくれてるんですね。…だけど僕は…辞める気はありません』
マール:『今までのNo.対策課だって全員が全員引くに引けなかったワケじゃない。一体何人が辞めていったと思う。なにもお前だけじゃないんだぞ』
ルーク:『………友人にも言われました。お前はやめるべきだって』
マール:『なら……』
ルーク:『だけど出来ません』
マール:『………。』
ルーク:『マールさん…。僕達は、僕達が思っている以上に今、山岳の淵(ふち)に立っています…。No.と言う組織は僕達の想像より遥かに闇が深い……』
ルーク:『世界全体に影響を及ぼす程と言っても過言じゃない。だからこそ、僕は止まるわけには行きません』
ルーク:『……僕達の子供が産まれた時、こんな世の中で笑って過ごせるのでしょうか?いつ自分が危ない目に会うか分からない世界で、本当に笑って居られるんでしょうか?』
ルーク:『それはきっと、僕達次第です。いつか、誰かが必ずこの現状に終止符を打たない限り、この闇の渦は止まらない。ここで僕が逃げたら、きっと…自分で後悔すると思うんです…』
マール:『…ルーク』
ルーク:『それに、やると決めたからにはやり通す。それが貴方よって嫁から言われました。それを分かって一緒になってくれてる嫁には、頭が上がりません(苦笑)』
マール:『あぁ。お前には勿体無いぐらいさ…』
: 少しの間
マール:『…そんな大事な嫁さんと子供を置いて行く事はするなよ』
ルーク:『……はい』
:
: 間を開ける
: 回想終了
:
マール:……俺達は……正義のヒーローなんかにゃなれはしないけどよ、俺達は俺達の信念がある…。
マール:ここで終わる訳には行かないよな。そうだろ?ルーク…
:
: 間を開ける
: 場面は切り替わり教会へ
:
謎の女:ハァッ……!!
: 響く鉄の音と走る火花。額から流れる血をデンテルは拭う
謎の女:……はぁ…!はぁ…!……ッ……!!
ユーフィ:レコードVI(シックス)。貴様には聞いておかねばならない事がある
謎の女:……強引な男には……黙秘権を使いたいモノね……!
ユーフィ:やりようは様々だが、拷問した所で話さないと決めた貴様は最後まで話さない事だろう。その場合は潔く貴様に死をくれてやろう
謎の女:質問の内容によるかしら、ね……。貴方から珍しく私に興味を寄せる事なんて……これが初めてで最後かも知れないし……
:
: 少しの間
: ユーフィが刀を下ろす
:
ユーフィ:貴様がそこまでして果たそうとする目的はなんだ
謎の女:………。
ユーフィ:貴様には明確な理由が存在しない。レコードIII(スリー)は沸き立つ狩りへの衝動。レコードIV(フォー)は復讐への一手。
ユーフィ:では、貴様のそれはなんだ?私には明確な理由がハッキリ見えては来ない
謎の女:……ふふっ
ユーフィ:……何が可笑しい…?
謎の女:誰にも全く興味が無さそうだった貴方が、他人を知った様に語るのが…なんだか可愛く見えちゃってね
ユーフィ:……そうか
: 刹那、デンテルの肩に刀を突き刺し壁に追いやる
謎の女:ァァアアアアッ……!!
ユーフィ:貴様にはまだ無駄口を叩く程の余裕があったようだな。もう少し痛みを与えてから尋問へ移った方が良さそうだ
謎の女:…ァァァァ……!…グッ……!!ホント……他の人には当たりが強い人、ね……。…っ……
ユーフィ:……貴様は腕の一本二本を切り落とさないと、理解出来ない程おざなりな頭をしていたのか?
: そのまま右腕を切り落とす
謎の女:ァァァアアアアア!!!
ユーフィ:どうだ?少しは気が変わってマトモに会話する気にはなったか?
謎の女:……ァァァッ……ァァァ………!!(痛がる)
ユーフィ:……長いな
謎の女:……はぁ……はぁ……!!…っ……。こんな手荒なマネしておいて…!よく……言うわね……!!……っ……!
ユーフィ:…………。
謎の女:まぁ、でも…そうよね……。どうせ死ぬなら、置き土産でもして置こう…かしら……
: 斬られた腕を押さえながらゆっくり歩み寄る
謎の女:私はこの組織に入る時から考えていた…。これ程の力と影響力をある組織はそうは居ない……だけど、上に立つ存在は力の正しい使い方を知らない……。
謎の女:だからこう考えた。私がこの力を手に入れたいってね
ユーフィ:騙し、欺き、裏をかくのが貴様のやり口だったな
謎の女:そうよ。だから私の利用出来る物を最大限に利用し、活かした…。全ては私の作り上げたシナリオよ
ユーフィ:そのシナリオとやらは今ココで絶たれた。死を迎える貴様にその欲望は叶わない
: 刀をデンテルに向ける
謎の女:さぁ?まだシナリオは完遂していないのよ。今後、結末がどう転がるかはまだ誰にも分からない……。
: デンテルが自ら刀に体を刺しに行く
謎の女:…うぅっ……!!…っ………。そう………私……以外には、ね……
:
: デンテルの動きが止まるとユーフィは刀を抜く
:
ユーフィ:貴様の思惑通りには行かない。私がいる限りな