ダーヴィン:ダーヴィン・スレイフ
ルーク:ルーク・ルーカス
ユーフィ:ユーフィ・レバンノ
アーベル:アーベル・サルマン
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ダーヴィン:何もかもが俺には紅く見えた。全てが紅黒く、汚らしい世界だ。ごみ溜めだ。俺は何にも縛られる事無く、自由に生きたい。何にも囚われること無く、俺らしく生きたい。
ダーヴィン:それなのに、いつだってそうだ。………俺はいつだって、見えない鎖でこの身を縛られてる
ダーヴィン:………………ほんっと、吐き気がするぜ
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: 間を開ける
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ルーク:ダーヴィン、名前はどうしたらいいと思う?僕は男の子も女の子も使えるような名前にしたいと思うんだ。だけど僕の名前と彼女の名前も取りたい所だし……。うーん悩むなぁ
ダーヴィン:………。
ルーク:おしゃぶりとオムツ。ヨダレ掛けに……うん。だいたい道具も揃えておいたし、これで大丈夫だよね
ダーヴィン:……
ルーク:ダーヴィン?さっきから話し聞いてる?ダーヴィン!
ダーヴィン:アァァもぅ、うっせぇな…。さっきから聞こえてるっての…。俺にはゆっくりしてられる場所は無いのかぁ?
ルーク:聞いてるんだったらちゃんと話しに反応してくれよぉ。ほら!妻なんか手編みの服までもう作っちゃって!準備はバッチリだ!!
ダーヴィン:何回も聞いてるっつの。何度目だぁ?その話し
ルーク:何度話したって良いじゃないか!!僕達に子供が出来たんだ、こんなに良い知らせがあるかい?
ダーヴィン:気分が良いのはお前だけだろうが馬鹿野郎。そんな話しを会う度にされてる奴の気持ちになってみろよ。そっちは幸せ真っ只中で浮ついてるが、コッチは気分ダダ下がりだ
ルーク:なら素直にダーヴィンも喜んでくれよ!名前だって案を出して欲しいし!
ダーヴィン:なんで俺がそんな事しなきゃなんねぇんだ……
ルーク:ダーヴィンおじさんにはいっぱい遊んで貰って成長を共に見てもらいたいんだ
ダーヴィン:誰がおじさんだ!勝手に世話させんな!
ルーク:あはは!ダーヴィンは素直じゃないなぁ!
ダーヴィン:かぁぁ……話しが通じねぇ。ま、お前に最初から話しが通じてたらこんな思いしてねぇか……
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: ダーヴィンが時計に目をやる
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ダーヴィン:おい、それよりも時間、大丈夫なのか?
ルーク:え?おぉっと!もうこんな時間か(笑)じゃあ僕は行くよ!
ダーヴィン:あぁ、さっさとどっか行っちまえ、大バカ野郎が
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: 間を開ける
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ダーヴィン:『幸せそうにそう語る長年の親友は、世界情勢統括機構。昔の言葉で例えるなら警察と言う職業に就いている。俺とは真逆なしっかり者だ』
ダーヴィン:『二年前に結婚して、三年目の冬に子供を授かったアイツは、俺なんかとは全く住む世界が違うと俺自身は思っていた。だが、コイツは違ったみたいだ。』
ダーヴィン:『コイツは俺がどれだけ疎ましい態度を取ろうが、関係を切って来る事はなかった。まぁ、最近の感じが本当に疎ましくなって来たのは確かだが、嫌いじゃなかったな』
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: 間を開ける
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ルーク:ダーヴィン。僕はどうやら、大仕事を任せられるらしい
ダーヴィン:大仕事?
ルーク:君も聞いた事があるだろう?No.(ナンバーズ)事件。
ダーヴィン:あぁ、あれか。死体も痕跡もまっさらに消しちまう不思議な殺し屋。最近じゃもっぱらその話しで世間を賑わせてる。
ルーク:やり方がとても変わっていて、統括機構はお手上げ状態。更には相手はプロの殺し屋だ。そう簡単に情報は掴ませてくれない
ダーヴィン:この間はそこの担当官が失踪したって話しじゃねぇか。
ルーク:そうだ。僕達の見解では、その担当官がNo.の情報を掴むために、単独で足を踏み入れ過ぎたせいで、No.に殺されたって……
ルーク:……あの事件の担当を……今度は僕に任せられるみたいなんだ
ダーヴィン:おいおい、大丈夫なのか。あんな得体の知れない奴ら相手に捜査なんてして。
ルーク:その通り。これは、とても危険な役割になる。今までとはまるで違う……
ダーヴィン:……そりゃあ、どうしてもお前じゃなきゃダメなのか
ルーク:あぁ。もう決定事項さ。来週にはNo.担当課に移動する
ダーヴィン:…………。
ダーヴィン:…やめちまえよ
ルーク:え?
ダーヴィン:そこまでこだわる仕事じゃないだろ。いくら安定した職で、給料もいいからって選択肢はなにもそれだけじゃない。命あってこそのモノだろうが
ルーク:…ダーヴィン
ダーヴィン:お前の今やってる仕事は、いくつ命があっても足りたモンじゃねぇ。これから家族を持って、背負うモノが増えて行くって言うなら、余計そんな仕事に手を出すべきじゃねぇだろ
ルーク:……ぷぷっ…あはははは!
ダーヴィン:あ!?なんだよいきなり…
ルーク:まさかあのダーヴィンが僕を心配してくれてるなんてね!あはは!びっくりしちゃったよぉ!
ダーヴィン:………(困った顔をする)
ルーク:いつもは僕を気にかけるような人じゃない。今日は雪でも降るんだろうか!
ダーヴィン:……チッ…柄にもねぇ事言うんじゃ無かったな。オメェみたいなヤツに茶化されるようじゃ本当にどうにかなっちまってるかもしれねぇ
ルーク:ごめんごめん!そこまで言わせるつもりじゃなかったんだ
: 少し間を開ける
ルーク:君の心配は嬉しい。だけど、それは出来ない。これから僕達の生活がかかっているからこそだよ。元よりこの仕事に就く前から…覚悟は決まっていた。きっと、危ない目にもあうだろうってね…
ダーヴィン:……ルーク
ルーク:それに…子供や妻を残して早々に死ねないよ
ダーヴィン:……お前みたいな奴が早死にするタイプなんだよ
ルーク:何年の付き合いだと思ってるんだい?もっと僕を信用しなよ
ダーヴィン:お前だから信用ならねぇんだよ……
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: 間を開ける
: 墓の前に立つ。名前はルークの名前
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ダーヴィン:あぁ、分かってた事だ。テメェはいつだってそうだった。なんでも馬鹿正直に生きて、クソ真面目で、家族思いな、人を疑う事を知らないような奴だ
ダーヴィン:あんなカッコつけたセリフ吐いたクセにどうだよ?…ほら、見てみろよ。テメェとテメェの家族が消えちまったのに、一丁前にこんな立派な墓石なんて立てちまってよォ…!
ダーヴィン:こんな場所に……テメェが眠ってるワケなんてねぇのによぉお!!
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: 勢いよく墓石を蹴り飛ばしその場を蹴り続ける
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ダーヴィン:俺はいつだってテメェの幸せ面が憎かった!!俺とは別世界に住むようなテメェが心底イヤになった!!テメェは俺とは違ぇ!!何もかも違ぇんだよ!!なのになんでテメェが居なくなってやがんだよォ……!!
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: 間を開ける
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ルーク:『僕は、君に憧れてるのかもしれない』
ダーヴィン:『は?俺に?冗談はよせよ』
ルーク:『君はいつも自分を卑下てるけど、君の事を羨ましく思うよ。僕は君みたいに強くはなれない。だからただただがむしゃらに、真っ直ぐ生きるしか僕には無いんだ』
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: 間を開ける
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ダーヴィン:……はっ………今の俺を見て、未だにカッコよく見えるか?クソ野郎が…。一体どこが強く見えるっつうんだよ……!
ダーヴィン:お前の生き方のが……誰も簡単に真似出来やしねぇよ……
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: 間を開ける
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ダーヴィン:俺はアイツが今まで調べあげてた情報をどうにか入手し、俺個人でもNo.を調べあげた。人間的道徳と感情を捨てたつもりだ。人を殺し、利用し、そして、やっとココに辿り着いた。
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: 間を開ける
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ユーフィ:貴方の目的は何でしょう
ダーヴィン:……なんの事だ
ユーフィ:貴方のそれは、この組織には向いていません。さっきもそうだ。貴方は標的の始末をする時、いつもそんな目をする
ダーヴィン:人の心の内を探ってくんじゃねぇよ。お前みたいなぶっきらぼうの嫌われ者に探られるのは、余計に癇(かん)に障る
ユーフィ:私は、貴方がこの組織に居る事に異議を唱えます。貴方の目は、組織に害を成す目だ
ダーヴィン:そりゃあ経験談ってやつか。それとも、ただのテメェの感ってやつか
ユーフィ:……。
ダーヴィン:じゃあ、お前の目的はなんだ?お前がそこまで入れ込んでいるこの組織に、一体どんな思惑がある。お前の組織へのこだわり様は、俺から見ても異様だ。
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: 少し間を開けてからユーフィが口を開く
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ユーフィ:私の意思はココにありません。組織の意向が私の意思であり、組織の行く末が私の行く道であり、それ以上もそれ以外も無い
ダーヴィン:一心同体だとでも言うか?
ユーフィ:勘違いしないでいただきたい。私は、あの御方と同じ立ち位置になど立ってはいない。ただただ、あの御方の考えに従うのみ
ダーヴィン:……やっぱりお前は気味が悪ぃ。俺はお前が嫌いだ
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ダーヴィン:コイツに目をつけられたら危ない。そう思って日々行動してた……。だが、やっぱりそう上手くは事が運ぶもんじゃねぇよなァ
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: 間を開ける
: ユーフィが刀を振り下ろし斬られながら後ろにさがるダーヴィン
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ダーヴィン:グッ……!!
ユーフィ:もう逃げ場はないぞ。フォース
ダーヴィン:流石はNo.内の掃除屋だな…!クッ……思ってた以上の実力だ……
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: ユーフィが刀を構える
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ユーフィ:組織内を荒し回るネズミには早々に消えてもらおう
ダーヴィン:なぁ、聞いておきたい事があんだよ……
ユーフィ:貴様と無駄話しをする気は無い
ダーヴィン:どうせこれで最後になるんだからよォ、そん時ぐらい付き合えよ。無愛想野郎
ユーフィ:……。
ダーヴィン:……二年前、銀髪の男とその家族が突如としてこの世から消えた。奴はNo.事件の担当捜査官だった。覚えてるか?
ユーフィ:知らないな。銀髪と言うだけの情報では、どのような人物だったか検討も付かない
ダーヴィン:その男は熱心にNo.を調べ、正体を探り、踏み込んじゃ行けない領域にまで足を踏み出した。この組織を動かしている大元。それを知った
ユーフィ:何を根拠に語る
ダーヴィン:俺はそれを知っているからさ
ユーフィ:……そうか。貴様はその男と繋がっていた。そしてその男の代わりに恨みを晴らしにココに来た
ダーヴィン:いいや。それは違ぇさ
ダーヴィン:アイツは自分がこうなるんじゃないかって分かってた。それを見越して、逃げること無く、自分の仕事を全うした。家族よりもだ……
ダーヴィン:そんなモン……自業自得じゃねぇか。分かってた事なのによ……。
ユーフィ:なら、なぜここに来た
ダーヴィン:……俺はアイツのために復讐を果たそうなんて考えちゃいねぇ。誰かに何かを縛られるのなんか御免だからだ!だから、奴とのしがらみを断つために……!テメェらを根っから燃やし尽くしてやろうと思ったのさァ!!
ユーフィ:…………くだらない
ダーヴィン:つまんねぇ考えしか持ち合わせてねぇ、ただの言いなり人形には…到底分かりっこねぇだろうなぁ?
ユーフィ:やはり、もっと早めに貴様を処理しておくべきだったな。汚いネズミめ……!
ダーヴィン:悪ぃがまだ、荒らし足りねぇんだ!!
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: ダーヴィンが頭上に向けて一発の銃弾
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ダーヴィン:「バレットショットォ!!」
ユーフィ:……!!
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: 頭上の撃たれた弾が無数の弾丸に増え下に落ち始める
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ダーヴィン:…我慢比べと行こうか…!ほぉら!!銃弾の雨が降り注ぐぞぉぉぉぉお!!
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: 少しの間、血まみれのダーヴィン
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ダーヴィン:グッ……!……はぁ……!はぁ……!っ………!!………おいおい……冗談は……よしてくれよな……。あれくらって普通無傷かァ……?
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: 服に付いたほこりを払うユーフィ
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ユーフィ:ふんっ。こんなのは痛手にもならない
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: ユーフィがこちらに目を向けた瞬間にダーヴィンの腹部に刀をを刺す
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ダーヴィン:……ガハっ……!?
ユーフィ:もうイイだろう?時間と手間をこれ以上取らせるな。
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: 刀を抜いてダーヴィンがその場にひれ伏す
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ダーヴィン:……っ………(吐血する)
ユーフィ:最後の最後で哀れだ。自由奔放を求め、何にも縛られる事のない人生を歌い続けた男は、過去に囚われ、目的中半で朽ち果てるか
ダーヴィン:……るせぇ…
ユーフィ:貴様の後処理は、後に私の部下がする。どうせ今の状態では貴様も動けまい
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: ユーフィが去っていく
: 間を開ける
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ダーヴィン:『ハッ……たくよ…。笑っちまうよなぁ。こんなの』
ダーヴィン:『俺はお前が言うような強い生き物じゃねぇ。いつだって俺は一人で。いつも虚勢張って、見栄張って、踏ん張って生きていようとして来ただけだ。誰かの憧れになるような生き方なんぞ…してねぇんだよ…。』
ダーヴィン:『………あぁ、そうか。逆だったんだな。俺はお前の生き方が羨ましかったのか。お前のように真っ直ぐに生きたかった。お前のように……俺も………なりたかったのかもなァ』
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: 間を開ける
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アーベル:おい
ダーヴィン:……(無反応)
アーベル:いつまでそうやって死んだフリしてるんだ。
ダーヴィン:………んだよ
アーベル:感傷に浸ってるなよ。らしくない
ダーヴィン:……いいじゃねぇかよ。人生…最後の時ぐらい……
アーベル:アンタも歳を取ったんだな。そうか、無駄に歳を取ったせいで、そんなカッコつけたセリフを吐くようになったか。生憎似合ってないぞ。
ダーヴィン:……へっ……歳を重ねるっつうのはイヤになっちまうよなァ……。
アーベル:アンタは小汚い言葉を吐きながら、腐る死に方のが似合ってる
ダーヴィン:オメェは俺をなんだと思ってやがんだ……
: 少し間を開ける
アーベル:……なぁ、なんでアンタ、俺を拾ったんだ
ダーヴィン:……そんな事聞いてどうするよ…
アーベル:人生最後の時ぐらい、いいだろ
ダーヴィン:……屁理屈か。オメェは相変わらず変わらねぇなァ……
アーベル:俺の質問にちゃんと答えたことは無かった。こんな時ぐらい真面目に答えろ
: 少し間を開ける
ダーヴィン:ハッ…なんで、か。なんでだったかぁ……。よーく考えもしなかったなぁ……。
アーベル:………。
ダーヴィン:多分、お前のあの時の目が……俺に似てたのさ……。まるで俺の現身(うつしみ)みたいな目をしてやがった……
アーベル:酷い理由だな。アンタみたいな奴が、俺に同情か?
ダーヴィン:そうゆう思いも、僅かながらにあったかも知れねぇな……。あの時のお前は、この世の全てに興味を無くして、全てがゴミの様に見える……。そんな色の無い目をしてた
アーベル:……今も大差ない。どれだけ年月が経っても、どれだけの経験をしても、今の俺には…何も変わらなく見える。世界も、人も、自分も。
ダーヴィン:……。
アーベル:アンタはこんな俺を、救いたいって思ったのか……?
ダーヴィン:バカ言ってんじゃねぇよ。ただの気まぐれだ
アーベル:……あぁ。皮肉ぶってるぐらいがアンタらしい
ダーヴィン:はぁーぁ……そろそろよぉ……楽にしてくれや。もう……疲れちまってな……。こんなクソみたいな世の中……早くおサラバさせてくれ……
アーベル:………分かってる。もう、時間が無い事は。
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: アーベルが銃口を向ける
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ダーヴィン:お前に教え込んだ事を忘れちゃいねぇだろうな……
アーベル:当たり前だ。何年アンタと居たと思ってる
ダーヴィン:最後の教訓だァ。いつだってこの世は……
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: 銃声が鳴り響く
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アーベル:いつだってこの世は……不条理に出来ている
ダーヴィン:『不条理に出来てる』(同タイミング、ズレても構わない)
アーベル:耳にタコができるくらい、アンタから聞いた言葉だ。どうあっても忘れるワケがない
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: 間を開ける
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ルーク:全く、君らしくないよ。何にも縛られたくない。君が散々吐き散らしてた言葉だろう?
ダーヴィン:……そのハズ、だったんだがなぁ。いつからかまた、自分で自分の首を絞めてたみたいだな
ルーク:君は昔からそうゆう人だったよ。自分では悪い人を演じていたつもりなんだろうけどね
ダーヴィン:自分の性格が歪んでても悪人だとまでは思っちゃいねぇ。だが、良い人だとも到底思えねぇ。
ルーク:確かに。性格に難アリな所は認めるかな
ダーヴィン:ぐぅの音も出ねぇよ。自覚までしちまってるんだから
ルーク:それでも僕は嬉しいよ。色々言いつつ、結局君はそうゆう男だ。一番泥臭い事を嫌っていて、それでいて、僕の知っている人間の中で…一番人間臭かった男だ
ダーヴィン:なんだそりゃ。その勢いで惚れてるだとか言い出すワケじゃねぇだろうな
ルーク:まさにその通りだよって言ったら、君はどんな反応する?
ダーヴィン:バカ言ってんじゃねぇよ。男は趣味じゃねぇ。
ルーク:あははは。僕も同意見だ。
ルーク:……ダーヴィン。こんな風にさせてしまってすまない
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: 間を開ける
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ダーヴィン:これは、俺が勝手にこうしただけだ。自分で選んだ選択肢だ。お前に謝られる覚えはねぇ…。…ヤツの言う通りさ。俺はいつだってなにかに自分を縛りつけて、最後にくだらねぇ終わりを迎える
ダーヴィン:やっぱりこの世の中は、心底胸糞悪ぃ。
ダーヴィン:…………俺には…息苦しくてしゃぁねぇよ…。