アイシテル

｢愛してる。｣

 

…なんて陳腐な言葉だろうか

 

頭ひとつ分背の高い彼は、私を抱き寄せて囁くの

そんな感情…微塵も無いくせに。

 

抱き寄せられる度、彼の言葉が薄っぺらいものになっていく

 

その言葉を一体、何人もの女性に囁いてきたの？

…想像もつかないや

 

今夜も彼は、私の元には来ない

退社時刻の18時、あなたは決まってネオン街へ消えていく。

 

欲を言えば、私だけのものでいて欲しかった

ただ無条件に…愛されたかった…

 

もっともっと、息もできないくらいに彼の嘘に溺れていたかった……

耳元で囁く｢愛してる｣は私だけのものではない。

 

でも…いいの。

それでもいいの…！！

 

だから、もう一度…その嘘で私を眠らせて………

 

 

ねえ、愛してる…。