クロネコ


私は雨が好き

 

何故なら

雨は私の曇った心を洗い流してくれる

 

その瞬間だけ

ほんの少しだけ…解放されたように感じる

 

雨の音に掻き消され

何も聞こえない

 

何も…聞きたくない

 

冷たく、冷めきった雨が

私に訴える

 

「アナタの居場所はどこにもない」と

 

そう、まるで私は…

 

 

 

…あら?こんな所に猫

アナタ…捨てられたの?

 

 

 

そう…私と同じね。

 

中途半端に優しさに触れて

それ以上は誰も足を踏み入れない

 

だから私は誰も信用しない

信用できるのは自分だけ

 

アナタも私も

所詮人を慰めるだけの道具よ…

 

 

 

ごめんなさい

アナタを拾うことは出来ないの

 

…私もどうせ

いつかは捨てられる運命だから……

 

………ホント

人間って…身勝手な生き物