◯佐原 彩音(さはら あやね)
◎響堂 仁(きょうどう じん)
△多倉 誠哉(たぐら せいや)
◯なぜ……アナタがこんな事を…!?
△君は私の大事な存在。大切な恋人(フィアンセ)だ
◯嘘よ……!なら、なんでこんな酷い事……
△嘘なんかじゃない。
私の生活を普通に見せ、一般的な幸せを象る(かたどる)ために必要不可欠な存在だ。
………いや、"だった"が、正しい表現かな?
◯どうゆう意味……?
△君は知りすぎてしまったんだよ。私のヒミツを…ね
◯わざとじゃないの!許して!お願いだから!!
△……馬鹿な女だねぇ…
◯お願いよ……!…ねっ?
△君には
◯……ガハッ……!?
△選択肢なんか鼻から無いんだよ
(数日後)
◎…なぁ
△どうしたんだい?
◎…彩音さん、最近見ないけどどうしたんだ
△彼女とは……別れたよ
◎…どうして?
△……彼女はどうやら私とは気が合わなかったみたいだ
◎それは残念だな。
△あぁ…。
◎実は彩音さんが死体で見つかった
△なっ…!?彩音が……!?
◎その彩音さんが着ていた服のポケットに、こんな物が入っていた
△……っ!!
◎見覚えがあるはずだ。
何故なら、これが原因で彩音さんは殺されたんだからな
そう、お前にだ……響堂…!
◯私はもういつ死んでもおかしくない
◎どうしたんですか?急に
◯……彼の秘密に触れてしまった
◎……!?……これは…!
◯響堂君が何を企んでるまでは読めない。
でも、危ないことをしでかしてるのは確かよ
◎彩音さん…この後、どうするんですか…
◯私は……相も変わらず彼の傍に居るわ…
◎ここまで分かっていてですか!?
◯…それでも私は……いや、私しか彼を止められない気がするの…
◎彩音さん……。
◎まさか…彩音さんの言った言葉通りだったとはな
△流石だね。
私が恋人(フィアンセ)として選んだだけはあったと言う事か……。
してやられたよ
◎お前の狙いはなんだ…!仁…!!
△私はね、2面性を持った人間で居たいのさ
◎……2面性?
△表では恋人も居て友人にも囲まれ、信頼出来る仲間がいる。
私は刑事としてだけでなく、人間としても普通の幸せを掴みとった!
だが…それだけで何が楽しい?
なんで一般的な普通を手に入れて満足ができる?私にはそれが理解出来ない!
◎だから裏では人殺しをしていたのか…?
△殺すにもちゃんとした理由がある。
それは何もしていない一般人を殺さず、悪行に………
◎そんなことは関係ない!
お前が誰を手にかけようと許される事じゃない!!
△…………やっぱり、誠哉も彩音と同じく、ただの上辺だけの関係だ。
理解出来ない
◎…お前からずっとそんな風に思われてたなんて…残念だよ
△…………この音は…サイレン?
◎もうお前に逃げ場はない。仁…大人しく捕まってくれ
△…君が私を呼んだ時点で何かを察していたよ。
ただの着飾りだけの存在のつもりだったんだけど……ガハッ……!
◎なっ…!?
△自分が……憎たら…しい…ね………
◎おい!しっかりしろ!おい!!
◎………仁……。お前ってヤツは……!なんでいつも……!!
〇誠哉君。もし…私に万が一があった場合…
君に任せてもいいかな…?
◎………俺に…ですか…
〇君にしか頼めないことよ
◎…そうならない事を祈るばかりです
〇……誠哉君にはいつもツラい思いさせてばかりね
ごめんなさい
◎いいんですよ。それが俺の役目ですから
◎彩音さん……すみません…。
俺、約束……守れなかったです……
〇…また私のところに来たの?懲りない人ね
△ダメかい?
〇普通私を殺した人といたいと思う?
△私の居場所はもう何処にもないことは分かってる。
それでもすがりつきたくなるんだ
〇……本当に貴方は…弱い人ね。
こんな人を好きになるんじゃなかった……
でも結局、そんなあなたを私は…きっと好きでいてしまうのね