先生と生徒の一線


 

 

◎先生

○生徒 幾瀬 (いくせ みのり)

 

 

 

◎うーん……

 

○まーたそんなしかめっ面してると

 早く老けちゃいますよ?

 

◎ん?…なんだお前か…

 

○あ…!お前呼ばわりとか酷ーい!

 

◎はいはい…

 幾瀬 (いくせ みのり)さんは早くお家にお帰りください

 

○えー…?

 今、先生テストの問題作ってるんでしょ?

 

◎さーて、どうだか

 

○…こっそり教えてくれたりしませんか?♡

 

◎しない

 

○ケチッ…じゃあ、少しだけサービス

 しちゃいますよ…♡

 

◎俺がお前みたいなまだまだお子様な高校生に

 興味があると思うのか?

 

○へぇ…私が本当にお子様か

 試してみますぅ?

 

◎しないって言ってるんだ!

 早く帰らないと怒るぞホントに!!

 

○嫌ですよー…だって私帰りたくないもん

 …あんな家に…帰りたくありません

 

◎幾瀬…

 

○………あはっ!

 なーんてねっ☆

 また怒られちゃいますからその前に帰りまーっすぅ

 

◎幾瀬!

 

○はい?

 

◎…何かあったら言えよ

 

○……ふふっ

 ホント、せんせー(先生)はすぐ怒るくせに

 変に優しいんですから…

 …私…困っちゃいます……

 

◎幾瀬?

 

○わかりました

 遠慮なくせんせーに迷惑おかけしますので!!

 それじゃあまた明日っ!

 

◎おい!迷惑はほどほどにしろ!

 ……全く、いつもあいつは…

 

 

 

 

○せんせーは、なぜ私にそこまでしてくれるんですか?

 教師だから?

 それとも誰かにそうしろと言われるのですか?

 

 私にはよく…わかりません…

 でも…ただ一つ分かることは…

 

 今の私の支えになっているのはせんせーの言葉だけです

 だから例え…せんせーが振り向いてくれなくとも

 せんせーだけには…

 私の本当の姿を見せても…いいですか…?

 

 

 

 

○せーんせっ!

 

◎おわっ!?

 

○何してるんですかぁ?

 

◎びっくりしたな…全く…

  いきなり後ろから声かけるなよ…

 

〇あは、驚きましたー?

 

◎大声でそんな風に呼ばれたら当たり前だろ!

  馬鹿者!

 

〇てへへー

 

◎「俺達は

  絶対に一緒になることはない」

 

〇先生…

 

◎「超えることのできない一線が

   ここにある」

 

〇私…先生の事…

 

◎何度も言っているが、断る

 

〇…もう!まだ最後まで言ってない!

 

◎何回目だと思ってるんだ…

  俺達は先生と生徒。

  歳の差も結構ある。

  そんな俺になんでそこまで…

 

〇人を好きになるのに

  理由なんて必要ですか?

  せーんせ

 

◎お前のことが分からん…

 

〇…別にいいですよ?

  私の事が理解できなくても。

  ただ…

 

◎「なんだろうな…

  この気持ち…」

 

〇私の好きな気持ちだけは

  分かってあげてくださいね…?

  うふふ。

  タイミング見計らって

  また告白しますから

 

◎おい…!

  何回やっても無駄だぞ!

 

〇それでも良いんです…。

  また来ますね?せーんせ

 

◎なっ……!待て!!

 まだ話しは…!

 

○どれだけ止められても

 私はせんせーのこと

 …大好きです