王国陛下と反逆者


◎軍人

〇国王陛下

 

 

◎圧倒的に敵の数が多すぎる...

 このままでは時間の問題……

 

〇こちらの策を読まれていたか…

 ふっ…流石は東の帝国

 

◎陛下!ここは撤退を!!

 

〇……ならぬ!

 

◎...なっ!?何故ですか!?

 これでは我らは...!

 

〇ここで勝てば

 我らハルメール王国の領土が広がるのだ!

 

◎...陛下の目的とは...一体...

 

〇領地を広げ、貿易を盛んにし

 ハルメールの存在を巨大なものにする。

 私はその舵取りになるのだ

 

◎あなたという人は……!!

 ...とうとう自分の地位の欲しさに目が眩みましたか...!

 

〇部をわきまえよ!

 目の前にするはハルメール王国の国王ぞ!

 

◎国王陛下にしては、国の長らしからぬ発言です…!

 

〇最近、ハルメールの貿易傾向は下がる一方だ。

 今や3代貿易都市と数えられたココも

 東の帝国に椅子を取られた!

 

◎ですが…この様な暴動を起こせば

 それこそもっとこちらの肩身が狭くなるばかり…

 

〇……勝てば良い

 

◎……何を言って……

 

〇全ては勝てば済む事。

 地位も守られ、都市の拡大にも繋がる。

 

◎…そのために一体

 何万人の犠牲を出すおつもりですか……!

 今となってはこの戦争が始まる前とは

 半分以上も兵の数が減っている!!

 

〇………犠牲は付き物だ

 

◎………陛下!!

 

〇私は!!自分の国を…

 私の国を守りたいだけだ!!

 

◎......全軍攻撃やめ!!

 我々はアイル国軍に敗れた!

 今すぐ撤退!撤退だ!!

 

〇キサマ!勝手なことを!

 

◎我らは独裁を成すための道具ではありません!

 あなたの守りたいのは

 国では無く貴方自身の地位と名誉です

 

〇…バカ息子のようにキサマも歯向かうつもりか?

 

◎ごもっとも。貴方の今の考えにはついていけません

 

〇…なぜ……

 なぜ、誰も理解しようとしない…!

 

◎貴方は……それほどにまで落ちぶれてしまったのですよ……陛下

 

〇私を……!私を愚弄(ぐろう)するな!

 

◎分からないと未だに仰るなら、分からせてあげましょう!

 

〇国王陛下に唾を吐き

 その後の未来に安泰(あんたい)があると思うなよ!

 たかが軍平(ぐんぺい)がっ!!