怪盗CAT-キャット-


 

○怪盗

◎警察

 

 

◎待ちなさい!

 

○全く、しつこいわねぇ

  一体いつまで追いかけてくるつもりー?

 

◎アナタを捕まえるまで

  どこまでついて行ってあげるわよ

 

○私、女にストーカーされる願望無いんだけど?

 

◎ならここで観念(かんねん)しても良いのよ?

 

○まだ見ぬお宝が私を呼んでいるの

  捕まるつもりは無いわ

 

◎アナタも諦めが悪いですね…

 

○熱い執念と欲望が無くちゃ

  こんな仕事できないもの♪

 

◎その気持ちをもっと他のところで使うべきでしたね…

  アナタの侵入したこの建物は世界でも有数の最強警備システム

  簡単に出る事は出来ませんよ!

 

○…そう…ふふっ

 

◎……ずいぶんと余裕じゃありませんか…?

 

○当たり前よ。

  頑丈だ頑丈だと世の中歌ってるけど

  それだけ見た目がよく出来ていれば

  案外抜け目がある物よ

 

○ちょっとイジれば簡単に警備が解除されてしまう

  便利が故に脆くて面白くない

 

◎ですが残念ですね

  ここに置かれている王冠はダミーです

  アナタは紛い物を追いかけ

  まんまと檻に飛び込んだわけですよ

 

○あらぁ…舐められちゃ困るわっ♡

  そんなことは一目見れば分かるもの

  ちなみに、本物がどこにあるのかご存知かしら?

 

◎知っててアナタに言うとでも?

 

○知りもしないのに知ったかはダメな子ね

 

◎…クッ…!何が言いたいんですか!

 

○この建物には図面に乗っていない地下倉庫があるの

 

◎…なっ…!?

  そんな物があるなんて聞いていない…

 

○そう。誰にも地下倉庫の存在を教えていないし

  本物の王冠の在り処を誰にも話していない

  それがどうゆう意味か分かる?

 

◎……警備システムがない状態じゃ

  守る人がいない……

 

○そゆことー♪

 

◎それなら疑問が残る…

  アナタはなぜ、その地下倉庫の存在を…

 

○まだそんなこともわからないのぉ?

  私を捕まえるなんて吠えておいて

  笑っちゃう。アハハっ

 

◎いいから答えなさい!!

 

○知っているのはこの建物の創立者

  それとその血縁者

  そう、思うでしょ?でも違う

 

○部外者でも知り得る方法…

  それは、婚約者よ

 

◎…っ!?…まさか…!!

 

○お察しの通り

  館長であるイグラム・マッカートンの妻が私

 

◎そんな…

  この時のためだけに貴方は

  婚約者を演じてきたと言うのですか…?

 

○言ったでしょ?この仕事は

  執念があってこその盗っ人って

 

○はぁ…長々と飽きてきた…

  ネタばらしも済んだ事だし

  私はもうおさらばさせてもらうわね?

 

◎なっ!?待ちなさい!

 

○待てと言われて待つ悪党が居るかしら?フフっ

  夫によろしくね♡

  Good-bye

 

◎ちょっ…!!

  ……はぁ…また上司に怒られる…

  今度こそ……逃がしませんよ…!!