響くブザービーター


 

〇鷹野 光 (たかの みつる)

◎井上 優花 (いのうえ ゆうか)

 

 

 

〇……嘘…だろ…?

 

〇「俺達の…

   高校生活最後のインターハイは

   呆気(あっけ)なく2回戦で敗れた」

 

 

 

 

◎いつまで辛気臭い顔してんの

 

(タオル投げつける)

 

〇おわっ……!?

 

◎そんな顔してると

  早くオッサンになっちゃうよ

 

〇……うるせーな…

 

◎ほら、これ飲みなさいよ

 

〇…要らない

 

◎……はぁ

 

(隣の椅子に腰掛ける)

 

〇…俺のせいだ

 

◎…そんなことない

 

〇俺は…みんなの足を引っ張った…!

 

◎違うよ光!!

 

〇後…もう少しだったんだ…!

  俺が……

  俺があんな所でヘマしなかったら!!

 

◎光……

 

〇…なんで……!

  なんで俺はいつもこうなんだよ……!

  クソっ……!クソっクソっ!!

 

◎もういいよ

 

(抱き寄せる)

 

〇……っ!?

 

◎光は…十分頑張った。

  自分を責めないでいい。

  私はちゃんと光の頑張り見てたよ

 

〇……なんだよ!?

  いきなり何す……

 

◎よく頑張ったね

 

〇………!

  ……ズリぃだろ…それ……。

 

◎こうでもしないと

  いつも自分を責め続けるでしょ?

  …もう見てられないの

 

〇………ごめん……

 

◎謝ることじゃない

  私もいつも光の頑張る姿を見て

  励まされてる

  私も頑張らなきゃって

  だから大丈夫だよ

 

〇…そっか…

 ……ありがとな…井上

 

 

 

 

最後の夏のインターハイ

バスケに全力を尽くし、人生をかけた光の試合は呆気なく終わった

 

マネージャーである優花は試合後に1人、控え室にたたずむ光を見つける